虫歯の治療にかかる費用とは?保険適用と自費診療に分けて解説  

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虫歯の治療にかかる費用とは?保険適用と自費診療に分けて解説
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虫歯は、口腔内にいる細菌の数種類が虫歯菌として歯を溶かしていく病気です。

歯は酸性のものに触れるだけでも溶けていきますが、虫歯菌は口に入った糖分をエサにして酸を吐き出すため、通常よりも歯が溶けやすくなります。

虫歯は軽度から末期までいくつかの段階に分かれており、予防や早期発見・早期治療が重要です。

この記事では、虫歯の治療が保険適用になることや虫歯の段階に応じてかかる費用、自費診療の場合の費用について紹介します。

虫歯治療は保険適用!

一般的な虫歯の治療には保険が適用されます。

患者さまの負担は1〜3割に抑えられ、自己負担分以外は健康保険組合が負担する仕組みです。

ただし、保険適用で利用できる詰め物・被せ物の種類は限られています。

審美性や機能性が高い素材は保険が適用されず、自費診療扱いとなります。

一般歯科診療では、「機能回復のための治療」に保険が適用されます。

審美性や高い機能が備わった素材は機能回復を超えているもののため、保険の対象外とされているのです。

保険の虫歯治療の費用

虫歯治療には保険が使えますが、費用は虫歯の段階によって異なります。

初期の軽度な状態はほとんど費用がかかりませんが、中度・重度・末期に至るほど治療期間と費用がかかります。

ここからは、軽度〜末期の治療にかかる費用をみていきましょう。

軽度(C0)

軽度の虫歯は、専門用語でC0(シーオー)と呼ばれます。

歯の表面が軽く溶けている「脱灰(だっかい)」がみられ、まだはっきりとした虫歯に至っていない状態です。

軽度の虫歯にかかる治療費は、3割負担で約1,000〜3,000円(税込)です。

初診料や検査費を含めると、相場よりも費用がかかります。

軽い脱灰であれば痛みはなく、虫歯特有の黒ずみもみられません。

ただし、歯の一部が濁ったような色をしており、その状態が進むとC1〜C2となり、虫歯の症状が表れます。

中度(C1~C2)

中度の虫歯は、C1(シーワン)・C2(シーツー)と呼ばれています。

C1は歯の表面を覆っているエナメル質が溶けて灰色から茶色がかった色になり、穴や溝が発生します。

C2はC1よりも侵食が進み、濃い色をした穴や溝が視認できる状態です。

これらの段階は虫歯が進行しているため、患部を削って詰め物をしなければなりません。

中度軽度の虫歯にかかる治療費は、虫歯を削る治療と詰め物・被せ物の費用がそれぞれかかります。

虫歯を削る治療は3割負担で約1,500〜2,000円(税込)です。

詰め物・被せ物を含めると、合計で約5,000円(税込)前後が目安になります。

また、治療回数や治療が必要な歯の本数によって費用が変わります。

重度(C3)

重度の虫歯は、C3(シースリー)と呼ばれています。

すでに歯の深い場所まで進行し、エナメル質・象牙質・歯髄が侵食された状態です。

虫歯を放置した期間やお口の中の状態にもよりますが、C3はすでに神経まで虫歯が到達しているため、侵食された神経を取り除かなければなりません

重度の虫歯は、根管治療と被せ物の装着にそれぞれ費用がかかります。

根管治療は3割負担で約1,000〜3,000円(税込)程度となり、治療が終わると詰め物や被せ物をします。

根管治療は高額ではありませんが、C3の場合は虫歯が広範囲かつ深い場所まで侵食しているため、通常よりも大きな被せ物が必要になることもあります。

被せ物は3割負担で1本あたり約5,000〜10,000円(税込)が目安です。

※ジルコニアクラウンなどの素材は自由診療の扱いとなり、1本あたり50,000円(税込)以上の価格になるものもあります。

末期(C4)

C4(シーフォー)は、すでに神経の奥まで虫歯に侵食されており、歯冠や歯の組織が広範囲に失われて、歯そのものを抜かなければならない状態です。

C4の治療は、抜歯とその後の処置に費用がかかります。

抜歯自体は3割負担で約2,000円(税込)です。

歯を失った場所には入れ歯(部分入れ歯)やブリッジ、インプラントの装着を行います。

抜歯は保険が適用されるため高額にはなりませんが、ブリッジや入れ歯はそれぞれ製作・装着に通院回数と費用がかかります。

また、インプラント治療は自費診療の扱いとなり、30万円(税込)以上の費用が目安です。

自費診療の虫歯治療の費用

虫歯治療は、削るだけであれば保険適用の対象です。

削った場所を補填する詰め物や被せ物は、自費診療の素材が選べます。

ここからは、詰め物・ブリッジ・被せ物・インプラントの4種類について、自費診療になるケースをみていきましょう。

詰め物

自由診療の詰め物には、ジルコニアやセラミック、ゴールドで作られたものがあります

詰め物を入れる範囲にもよりますが、10割負担で40,000〜100,000円(税込)程度が相場です。

自費診療の素材は、医院によって料金が異なります。

一例として、「セラミックインレー」と呼ばれるセラミック製の詰め物は50,000円(税込)前後が相場になります。

審美性が高い素材で、自然な歯の色に近く、汚れにくい点がメリットです。

詰め物の範囲が広くなり、治療する歯の本数が増えると、費用は10万円(税込)を超える可能性もあります。

複数箇所に詰め物をする場合、自費診療の素材と保険適用の素材を併用することもできます。

ブリッジ

ブリッジは、歯を失った箇所の両脇が健康な歯の場合に、その歯を削って土台を作り、2本の土台とその間に人工歯を被せる方法です。

 

ブリッジは保険適用の治療ですが、保険適用の場合は銀歯などが使われるため、歯を失った箇所によっては口を開けたときに目立ってしまいます。

そこで、3本の歯に使う被せ物を自費診療の素材にできます。

自然で目立ちにくい色合いのジルコニアやセラミック、ゴールドなどが選択できます。

10割負担で1本あたり50,000〜100,000円(税込)が目安です。

被せ物

被せ物は、詰め物よりも治療箇所が広範囲になり、上から被せるかたちで使われるものです。

ジルコニアやセラミック、ゴールドで作られたものが選べます

自由診療扱いの詰め物よりも範囲が広いため、費用は高額になります。

一例として、「オールセラミック」の被せ物は約80,000〜180,000円(税込)が相場です(費用の詳細は被せ物治療を受ける歯医者へお問い合わせください)

※自費診療の素材のうち、「ゴールドクラウン」と呼ばれる合金の被せ物は合金に使われる金の価格が時価のため、金価格が高騰しているときは一般的な相場よりも価格が高くなります。

インプラント

インプラントは、抜歯した箇所に歯を埋め込む治療方法です。

土台となるインプラント体を歯根の代わりに顎の骨に埋め込み、その上に歯冠を繋げるため、外科手術が必要になります。

外科的治療に加えて自費診療のため、インプラント1本あたりの費用は30〜60万円(税込)程度が相場になります。

医院によって費用は前後しますが、精密検査やカウンセリング、術後のアフターケアなどに別途費用がかかる場合もあります。

1本の価格にすべての施術代を含んでいるか、別料金になるかは、施術を受ける医院に確認が必要です。

虫歯の治療にかかる費用を確認しよう

今回は、保険適用になる虫歯治療と治療にかかる費用、自費診療になるケースや費用の目安について紹介しました。

虫歯を削り出す治療には保険が適用されますが、削った部分への詰め物や被せ物は銀歯など限られた素材のみが保険適用となるため、審美性や機能性が得られないこともあります。

自費診療の素材を選ぶことで治療の選択肢が広がり、虫歯にかかった後も丈夫で清潔な歯が手に入ります。

治療計画や方向性などを、信頼のできる歯医者へご相談ください。

この記事を監修した人

日本
口腔外科学会
認定医

木下 恵泉

医療法人Kオールインデンタルクリニック院長
泉の森歯科院長

鶴見大学卒業後、年 町田市民病院に入職。また、赤十字病院や東京医科歯科大学顎顔面外科の勤務を経て、2018年に森の泉歯科の院長に就任。2023年3月に「オールインデンタルクリニック」を開院。

千歳烏山地区の人のために、自分のことのように相手のことを真剣に考え、1人1人に合わせた最善の治療を提案している。

略歴

2005年3月 鶴見大学 卒業
2005~2006年 町田市民病院(歯科口腔外科) 勤務
2006~2007年 武蔵野赤十字病院(歯科口腔外科) 勤務
2007~2011年 東京医科歯科大学顎顔面外科(歯科口腔外科) 勤務
2011~2018年 けやき歯科 勤務
2018年5月 森の泉歯科 院長就任
現在に至る

資格

日本口腔外科学会認定 歯科口腔外科認定医