歯周病と虫歯の違いと両方の口腔内疾患を予防するための効率的な方法  

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歯周病と虫歯の違いと両方の口腔内疾患を予防するための効率的な方法
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口腔内に不安がある方に向けて、歯周病と虫歯の違いについてご紹介していきます。

口腔内の疾患として広く知られているのが「歯周病」と「虫歯」です。

しかしこの両者の違いがわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか? そこで今回の記事では、歯周病と虫歯の違いについてさまざまな観点から解説します。

原因や症状は違いますが、実は予防方法はほぼ同じです。

どちらの口腔内疾患も予防できる方法もご紹介しますので、今日からのケアに役立つでしょう。

口腔内の“二大疾患”

「口腔内の二大疾患」と呼ばれるのが「虫歯」と「歯周病」です。

歯周病と虫歯には、どのような違いがあるのでしょうか?それぞれの原因や特徴について見ていきましょう。  

歯周病とは

まずは歯周病の基本についてご紹介します。

原因

歯垢に潜む細菌によって歯茎に炎症が起きること

主症状

  • 炎症が起きる
  • 歯茎がぷよぷよと腫れる
  • 歯茎が赤くなる
  • 歯茎から出血する

歯周病は歯垢の中にいる細菌によって生じる疾患です。

「嫌気性細菌」と呼ばれる、酸素が嫌いな細菌が原因となります。

軽度であれば「歯肉炎」と呼ばれ、ほとんど症状が感じられないこともあるでしょう。

歯肉炎から進行すると歯周病になります。  

虫歯とは

それでは続いて、虫歯の基本情報も見ていきましょう。

原因

 

  • 食べ物の影響で口腔内が酸性になり歯が溶ける
  • 虫歯菌が作り出す酸によって歯が溶ける

主症状

 

  • 歯の痛み
  • 歯が失われる

虫歯ができる原因は2つありますが、いずれにしても「酸」によって歯が溶かされてしまうことが根本にあります

たとえば炭酸飲料を頻繁に飲んでいたり、虫歯菌の餌となる糖分を多く摂取したりしているのに、歯磨きを怠るなどです。

虫歯は「歯が溶かされる疾患」と考えてもよいでしょう。

歯周病と虫歯の違いは?

歯周病と虫歯の大きな違いは、原因・症状・症状が起きる箇所・痛み・治療法など、すべてに及びます。

それぞれを比較してみました。

 

歯周病

虫歯

原因

歯垢内に潜む歯周病菌による感染症

虫歯菌や食べ物による酸で歯が溶かされる

症状

歯肉の炎症、腫れ、赤み、出血

歯根の痛み

症状が起きる箇所

歯肉・歯茎

歯・歯根

痛み

ほとんどない

進行すると現れる

治療法

プラークコントロール

歯を削って被せ物をする

歯周病と虫歯にはさまざまな違いがあります。

歯周病は細菌による歯肉および歯茎の感染症ですが、虫歯は歯自体が酸によって溶かされる疾患です。

症状が起きる箇所も異なり、歯や歯根にダメージを与えるのが虫歯である一方、歯周病は歯肉や歯茎に影響が及びます。

歯自体には影響はありません。 自覚症状として最も違いが大きいのは、痛みがあるかどうかでしょう。

虫歯は進行すると神経まで到達し、鋭い痛みが走ります。

しかし歯周病では痛みがないことも珍しくありません。

治療方法は歯周病がご自身で行うプラークコントロールが中心です。

虫歯は悪いところを削って、被せ物をする治療が広く用いられています。

以上のように歯周病と虫歯は口腔内の荷台疾患と呼ばれているものの、ほとんどの点で違いが見られます。

歯周病のセルフチェック法

歯周病になっていないかと不安な方もいらっしゃるでしょう。

そこで歯周病のセルフチェックをする方法をご紹介します。

次の3つの観点からチェックすれば、歯周病になっているのかどうか、ご自身で判断できるはずです。

該当する項目が多ければ、歯周病の可能性があります。  

全体的なチェックポイント

【全体のチェックポイント】

  • 起きたときに口の中がネバネバしていないか?
  • 口臭が強くないか?
  • 口の中で血が滲んでいないか?
  • 舌の表面をキレイにしているか?

 

【歯のチェックポイント】

  • 歯にぐらつきがないか?
  • 歯が浮いていないか?
  • 歯が長くなってきていないか?
  • 歯並びが変わってきていないか?
  • 硬いものが噛みにくくないか?
  • 歯の周りに歯垢や歯石が付着していないか?

 

【歯肉のチェックポイント】

  • 歯茎がぷよぷよと締りがなくなってきていないか?
  • 歯茎が腫れていないか?
  • 歯茎が白っぽくなっていないか?
  • 歯茎がさがってきていないか?
  • 歯肉の色が赤もしくは黒になっていないか?
  • 体調が悪いときに歯肉が腫れないか?
  • 歯肉から膿が出てこないか?
  • 歯茎にかゆみや痛みを感じないか?

虫歯のセルフチェック法

続いては虫歯のセルフチェック方法も見ていきましょう。

虫歯ではないかと不安に思われているなら、次のチェック方法で自己診断をしてみてください。

歯周病のケースと同じく、該当する項目が多ければ虫歯かもしれません。  

全体的なチェックポイント

【歯のチェックポイント】

  • 口臭が強くないか?
  • 虫歯の治療を受けたことがあるか?
  • ブラッシングの回数が少なくないか?
  • 夜のブラッシングをさぼっていないか?
  • お菓子やジュース、炭酸飲料が好き?
  • 酸っぱいものを良く口にする?
  • 熱い・冷たい・甘い食べ物が歯にしみないか?

 

【歯のチェックポイント】

  • 歯の一部が黒くなっていないか?
  • 歯の表面に白い斑点がないか?
  • 歯に穴が空いていないか?
  • 歯に痛みがないか?
  • 歯の形が以前とは変わっていないか?

 

【歯肉のチェックポイント】

  • 歯茎が腫れていないか?
  • 歯茎が赤みをおびていないか?
  • 歯茎からの出血はないか?

歯周病と虫歯の予防方法

歯周病と虫歯には大きな違いがありますが、予防方法は同じです。

次の3つを実践していただければ、歯周病も虫歯も予防できるようになるでしょう。  

予防方法1:ブラッシング・フロスの徹底

まずは毎日のケアを徹底することが大切です。

歯ブラシでのブラッシングを丁寧に行い、デンタルフロスを用いて細かな部分までケアしましょう。

歯垢があると、中に歯周病菌が潜んでいて歯周病になりやすくなります。

また虫歯菌の温床ともなるため、できる限り歯垢がない状態を長く継続することが大切です。  

予防方法2:食生活の改善

食生活の改善も大切なポイントです。

まず軟らかい食べ物を好む方は咀嚼回数が少なくなりやすいでしょう。

咀嚼回数が少ないことは、唾液の分泌量が少ないことにつながります

唾液には口の中を浄化する作用があるため、軟らかい食べ物ばかりを食べていると口腔内の細菌が繁殖しやすくなる傾向にあります。

また酸性の食べ物を多く食べていると、口腔内が酸性に傾き虫歯になりやすくなるでしょう。

酸性の食べ物とは次のようなものです。

【酸性の食べ物】

  • 小麦粉
  • オートミール
  • そば粉
  • とうもろこし
  • うなぎ
  • ネギ
  • バター
  • 酸味の強い食べ物

レモンやオレンジ、酢など、酸味の強いものはイメージ通り、酸性であることが多いものです。

しかし米や小麦粉、とうもろこしなどの穀物は甘いにもかかわらず、酸性の食品だと言われています。

該当する食べ物を多く食べる方は、食べるのを控えるか、食べた後にしっかりと歯磨きをするかして、口腔内を酸性に傾けないことが大切です。  

予防方法3:定期健診

歯科クリニックで定期検診を受けることも予防方法として欠かせません

歯科クリニックでの定期検診では歯の状態を診てもらえるだけでなく、歯垢や歯石の除去も行ってもらえます。

日常のケアを徹底的に行なっていたとしても、セルフケアだけでは歯垢や歯石は落としきれません。

そこで重要となるのが定期検診です。

付着している歯垢や歯石を除去してもらえば、虫歯や歯周病のリスクは大幅に減るはずです。

また初期の虫歯や歯周病も見つけてもらえるため、早期治療が可能であることもメリットでしょう。

歯周病と虫歯にはさまざまな違いがあります。しかし定期検診で予防できることは共通です。

半年に1回程度の検診を受け続ければ、虫歯も歯周病も予防しやすくなります。

歯周病や虫歯の原因になる悪習慣 歯周病や虫歯の発症には、日常生活の中での習慣も影響します。

【歯周病・虫歯になりやすい悪習慣】

  • ゴシゴシとこするようなブラッシング
  • 食後のつまようじ
  • 歯に負担をかける行為
  • 食後に飲む砂糖入りの飲み物
  • 口が開いていること
  • 歯ぎしり
  • 咬み合わせの悪さ
  • ストレス
  • 喫煙
  • 飲酒
  • 不規則な生活
  • 肥満

歯周病や虫歯になりやすい条件には、実にさまざまなものがあります。

中にはすぐに直せないこともあるでしょう。

しかし擦るようなブラッシングやつまようじで清掃、袋を歯で破るなど、歯に負担がかかる行為をやめるだけでも効果的です。

さらに歯ぎしりや咬み合わせの悪さも歯への負担を増長する原因となります。

喫煙や飲酒、ストレスなどの習慣も原因としてあげられていますが、大切なことは「健康的で健やかな生活を送ること」です。

心身ともに元気に過ごしていける習慣を身につければ、自然と虫歯や歯周病のリスクも軽減されます。

生活習慣に難があると自覚されている方は、まずは健康的な生活を目指してみてはいかがでしょうか。

歯周病と虫歯には違いがあるが予防方法は同じ

いかがでしたでしょうか?この記事を読んでいただくことで歯周病と虫歯の違いがご理解いただけたと思います。

歯周病と虫歯は原因、症状、治療法など、多岐にわたってさまざまな違いがあります。

しかし予防方法は共通であり、今回ご紹介した予防方法を実践していただければ、両方ともリスクが低くなるはずです。

オールインデンタルクリニックでは歯周病の予防にも力を入れており、事前のケアを提案させていただけます。

歯周病や虫歯への不安がある方は、ぜひオールインデンタルクリニックまでお越しください。

平日でしたら20時まで開院しております。

この記事を監修した人

日本
口腔外科学会
認定医

木下 恵泉

医療法人Kオールインデンタルクリニック院長
泉の森歯科院長

鶴見大学卒業後、年 町田市民病院に入職。また、赤十字病院や東京医科歯科大学顎顔面外科の勤務を経て、2018年に森の泉歯科の院長に就任。2023年3月に「オールインデンタルクリニック」を開院。

千歳烏山地区の人のために、自分のことのように相手のことを真剣に考え、1人1人に合わせた最善の治療を提案している。

略歴

2005年3月 鶴見大学 卒業
2005~2006年 町田市民病院(歯科口腔外科) 勤務
2006~2007年 武蔵野赤十字病院(歯科口腔外科) 勤務
2007~2011年 東京医科歯科大学顎顔面外科(歯科口腔外科) 勤務
2011~2018年 けやき歯科 勤務
2018年5月 森の泉歯科 院長就任
現在に至る

資格

日本口腔外科学会認定 歯科口腔外科認定医