更年期とドライマウスの関係とは?症状や改善方法を紹介  

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更年期とドライマウスの関係とは?症状や改善方法を紹介
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ドライマウスとは、「口腔乾燥症」とも呼ばれる症状です。

お口の中のトラブルの一つで、唾液の分泌量が通常よりも低下し、口腔内が乾燥します。

緊張や病気など、さまざまな原因によって発症するトラブルです。

症状は軽度なものから慢性的に乾燥した状態まで個人差があり、ドライマウスを放置していると口腔内が不衛生になるため注意が必要です。

この記事では、更年期のドライマウスはなぜ起こるのかについて紹介しています。

唾液の役割、ドライマウスの代表的な3つの症状や原因、改善方法を取り上げています。

更年期のドライマウスはなぜ起こる?

更年期とは、男性は男性ホルモン(テストステロン)が、女性は女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が減るために起こる心と体の不調です。

ホルモンは情報伝達物質として、生命活動や生殖機能の維持、自律神経や心のバランスを整える働きを担っています。

そのため、ホルモンの分泌量が減ると疲労感・倦怠感・不眠・代謝異常といった体の不調が表れます。

唾液は、副交感神経が優位になったときに多く分泌される性質があります。

ホルモンが減ると交感神経が優位になりやすく、副交感神経の働きが低下して唾液が減り、ドライマウスになりやすいと考えられています

このような更年期の症状は「更年期障害」として知られています。

年齢とともに体の不調や衰えを感じたときは、体調のチェックや治療・セルフケアを組み合わせて対処しましょう。

唾液の役割とは

唾液は口腔内の健康や衛生を守る役割があります。

具体的な役割は次のとおりです。

【具体的な役割】

  • 口腔内を洗い流す
  • 味を認識させる
  • 細菌の増殖を抑える
  • 粘膜を傷から保護する
  • 傷ついた粘膜を修復する
  • 口腔内のpHを中和する
  • 食塊を作りやすくする
  • 発音・発声を助ける
  • 歯面の再石灰化を促す

唾液にはデンプンを分解する「アミラーゼ」という消化酵素や、食べ物を水分とともに包みこんで喉を通りやすくする「ムチン」などの物質が含まれています。

これらの機能により、口にしたものが口から喉にかけて傷をつけずに通りやすくします。

(※) 酸性に傾いた口腔内を中和したり、傷ついた粘膜や溶けかかった歯面を修復したりする作用もあります。 口腔内の汚れを胃に向かって洗い流すだけではなく、傷やその他のトラブルから守る働きも担っているのです。 飲食をしていないときでも、発声や発音のために唾液は欠かせない存在です。滑らかに発話ができるように唾液が分泌され、口の中を適度に潤しています。

参考:厚生労働省 e‐ヘルスネット「歯・口の機能」

ドライマウスによる症状

ドライマウスによる代表的な症状は「口臭」「味覚障害」「口内炎」の3つです。

それぞれどのような症状なのか、詳しくみていきましょう

口臭

ドライマウスにかかると、唾液が減ってお口の中が乾燥します。

口腔内で繁殖した細菌を洗い流す機能が低下するため、臭いの元がお口の中に残留し、口臭が強く出てしまうのです。

口臭は胃の不調や歯周病・虫歯といったドライマウス以外の原因も考えられるため、ドライマウスだけが直接の原因ではありません。

しかし、唾液量が減ってくると口の中の細菌が減らずに残ってしまうため、結果として臭いが目立ってきてしまうのです。

胃や歯周組織が健康なのに口臭がするときは、唾液の量を確認してみてください。

味覚障害

唾液に含まれる水分と「ムチン」や「アミラーゼ」などの成分は、口に入ってきた食べ物を分解し、体に取り込みやすい状態にします。

分解の過程で味物質を溶け出させて、舌の表面に存在する味蕾という細胞に味物質を届け、甘味や苦みといった味を感じさせる仕組みです。

ドライマウスはこの作用がスムーズに行われなくなるため、味覚障害が発生しやすいといわれています。

ものを食べても味覚の感度が低いため食事の実感が湧きにくく、満腹感を感じにくいといわれています。

口内炎

唾液は口腔内を潤すだけではなく、歯や食べ物の角が当たって傷がつきにくいように口の中を滑らせます。

潤滑作用は、粘膜を保護する役割があります。

粘膜自体には潤いを与える機能がないため、唾液量が減ると乾燥し、傷つきやすい状態になります。

乾燥した状態で熱いものを口にしたり強い力でブラッシングをかけたりすると、粘膜に刺激が伝わって炎症が起こり、口内炎が発生しやすくなるのです。

ドライマウスの原因

ドライマウスの原因は人によって異なり、個人差があります。

代表的な原因は次のとおりです。

【代表的な原因】

  • 更年期障害
  • 薬の副作用
  • 緊張によるもの
  • 加齢によるもの
  • 口呼吸の習慣化

唾液量が減る一般的な原因としては更年期障害や緊張(ストレス)加齢などが挙げられますが、「加齢と更年期障害」や「緊張と口呼吸」など、複合的な要因で唾液量が減ってしまうケースもあります。

口呼吸は鼻呼吸ができないときに口から空気を取り込む呼吸方法ですが、噛み合わせや鼻詰まり、骨格といった問題で習慣化する場合もあります。

常に口で呼吸をしていると水分が失われ、ドライマウスのような状態になります。

ほかの病気の可能性も?

免疫バランスが崩れてしまう自己免疫疾患の一種「シェーグレン症候群」は、ドライマウスを引き起こす代表的な病気です。

また、既往症をお持ちの方は服用中の薬の副作用によってドライマウスが表れる可能性もあります。

病気や薬の影響が考えられる場合は、かかりつけの病院へご相談ください。

ドライマウスの改善方法

ドライマウスを改善するために意識したい方法は次のとおりです。

【ドライマウスの改善方法】

  • 唾液腺マッサージを行う
  • ストレスを無くす
  • よく噛んで食べる
  • 口呼吸を予防する

それぞれの方法を詳しく紹介します。

唾液腺マッサージを行う

唾液腺とは、唾液を分泌する腺のことです。

耳下腺・顎下腺・舌下腺の3ヶ所が唾液腺と呼ばれており、耳下腺は上の奥歯の付け根と耳の間あたりにあります。

顎下腺は顎の骨の内側にある柔らかい部分、舌下腺は顎の真下から舌を指で押し上げたところにあります。

耳下腺のみ5回くるくるとマッサージし、顎下腺と舌下腺はゆっくりと5回指で押し上げて刺激しましょう。

ストレスを無くす

緊張状態にあると交感神経が優位になり、唾液が分泌されにくくなります。

ストレスリリースによって緊張状態を緩和したり、ストレスを感じにくく工夫したりすることで、ドライマウスが予防できます。

よく噛んで食べる

しっかりとものを噛むと、歯や粘膜に刺激が伝わって唾液分泌反応が起こります。

(※) 唾液腺マッサージとは別に、普段からしっかりと咀嚼することも意識したいポイントです。

参考:厚生労働省 e‐ヘルスネット「ドライマウス(どらいまうす)」 

口呼吸を予防する

口呼吸は鼻づまりや顔〜顎の骨格といったいくつかの原因によって発生します。

鼻づまりのように一時的な原因であれば問題はありませんが、普段から口呼吸を行っている方は、原因に直接対処することがドライマウスの予防になります。

更年期のドライマウスが気になったら専門医へ

今回は、ドライマウスの内容や唾液の役割、症状の改善方法について紹介しました。

ドライマウスは口の中が乾いてしまう「口腔乾燥症」というトラブルです。

加齢によって自然にドライマウスになる場合もあれば、自己免疫疾患が隠れているケースもあります。

お口の中のトラブルは、放置していると虫歯や歯周病といったその他のトラブルに繋がるおそれもあり、早めに対処する必要があります。

セルフケアを続けてもお口の中の乾燥が続くときは、専門医による診察・治療を検討してください。

 

千歳烏山駅の「オールインデンタルクリニック」では、患者様に合わせた最適な治療を提案いたします

オールインデンタルクリニックでは、患者様お一人おひとりの状態を丁寧に診察し、最適な治療プランを提案させていただきます。歯に関する不安や疑問がありましたら、どうぞお気軽にお立ち寄りください。私たちは、患者様の不安にしっかりと向き合い、丁寧にカウンセリングを行い、安心して治療に臨んでいただける環境づくりを心掛けています。

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この記事を監修した人

日本
口腔外科学会
認定医

木下 恵泉

医療法人Kオールインデンタルクリニック院長
泉の森歯科院長

鶴見大学卒業後、年 町田市民病院に入職。また、赤十字病院や東京医科歯科大学顎顔面外科の勤務を経て、2018年に森の泉歯科の院長に就任。2023年3月に「オールインデンタルクリニック」を開院。

千歳烏山地区の人のために、自分のことのように相手のことを真剣に考え、1人1人に合わせた最善の治療を提案している。

略歴

2005年3月 鶴見大学 卒業
2005~2006年 町田市民病院(歯科口腔外科) 勤務
2006~2007年 武蔵野赤十字病院(歯科口腔外科) 勤務
2007~2011年 東京医科歯科大学顎顔面外科(歯科口腔外科) 勤務
2011~2018年 けやき歯科 勤務
2018年5月 森の泉歯科 院長就任
現在に至る

資格

日本口腔外科学会認定 歯科口腔外科認定医